過去の日記
(平成14年11月・12月)

平成14年12月まで会社のイントラにあった予定表に日記を書いていた
人々がいた。
最初はROM専門であったが、とにかく読んでいて面白い。
自分も書けないかと思って書き出したのが読書日記で平成14年の7月の
ことだった。
残念なことに諸般の事情で12月にこの予定表は無くなってしまった。
この雑記の前身であるので、最後の11・12月を掲載してみた。
内輪話が多いところはご容赦いただきたい。


  11月の予定

予定
1
あのー、実は小生も杏仁豆腐が大好きなんですけれども・・・。

といって、レシピを見ても自分で作れそうもないし、
K川さん作成のおいしそうな杏仁豆腐も食せないし(画像拝見しただけで食欲がわいてきます)、自分で横浜の地の利を生かして、よい店を開拓するしかないか!

K阪君へ。
会長のS巻君が仙台駐在で不在ですから、会長代行ということでU木さんと同じく小生も「杏仁友の会」に入会させてください。9月まで7Fの隣にいながら、少し恥ずかしく、入会の申込みもツアーの参加もしませんでした。
でも、やはり中華発祥の地”ヨコハマ”! 杏仁のおいしさにあらためてめざめました。
支社のそばの中華店では、昼の定食に杏仁が付くし、横浜駅周辺の店でもおいしそうな杏仁がたくさんあります。そういえば、この前食べた店は、その名も『天使的杏仁豆腐』!! プルンプルンの杏仁はほどよい甘味とミルクがミックスした絶品でした。
情報をもらえれば、横浜駐在(と勝手に名乗ります)として実地調査をして、レポートします。
また、ツアーの企画もよろしく。
2
何も役に立たないが、間接的な支援の気持ちで出社。

日本一の余韻まだ覚めやらぬ昨日、ジャイアンツ、いや日本の4番ゴジラ松井がメジャー入り表明で日本列島に激震走る! 夕刊紙やTVニュースはトップで報道。

かねてから噂はあったが、とうとう正式発表の記者会見が行われた。ジャイアンツを愛しながらも、メジャーでのプレイに夢を持ちつづけた結果、苦悩した上での決断だったようだ。

ファンとしては日本での活躍を見たいとの気持ちも強いが、松井ならメジャーでもイチローと同じような、
あるいはそれ以上の活躍ができるだろう。行き先はヤンキースの可能性が高いといわれているが、いずれにせよ正式の決断がくだされたからには、あちらでの大活躍を祈るばかりである。

来年のジャイアンツの4番はどうなるのか? ペナントの行方を左右する問題だけにストーブ・リーグが俄然注目の的となってきた。
3
山田正紀『僧正の積木唄』読了。

あの僧正殺人事件は解決してない、僧正殺人事件2が起こり、日系移民が排斥されている1930年代という時代背景の中、日本人が犯人として起訴される。この事件を解決するべく立ち上がったのが若き名探偵金田一耕助。あまり書くとネタバレとなるので、これ以上書きずらいが、彼の名探偵の名に恥じない活躍で事件は決着する。

ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』を本歌取りした作品なので、それをよく理解して読めば、面白さは倍増したろうが、生憎かなり昔に読んだ関係でよく覚えていないため、感動は今ひとつであった。
4
・物忘れ二題ーショック!!

 先週帰宅途中のある夜の車中、とある駅に到着する直前乗客の中のある中年の紳士とふと目が合った。どちらからともなくやあお久しぶりとばかりに微笑みながら、会釈を交わし、話をしようとしたところで駅に到着、件の紳士は「こちらが下車駅ですので」と下車されていった。

さてその紳士、前に担当していた法人の仕事でお会いした方であることは間違いないものの、何という企業の何さんだったかが、さあ思い出せない。

担当していた企業も多かったので、とくに親しく出入りさせていただいた○○会の理事会社や会員会社各社の名前をひとつひとつ挙げながら、思い出そうとするも出てこない。

頭の隅でしこりのように残り、思い出そうと努めて数日、今日やっと某親密銀行の関連子会社のM人事総務部長であったことが判明。今まで一度会った方の顔と名前は絶対に忘れないという自信があったのに・・。ショックその1。

連休で時間があったので、珍しく押し入れの山の中からしまい込んである本やCDを出したり入れたりして整理の真似事をしていたら、出てきたCDを見て愕然! 何と二重に購入していたCDが二組もあったことが明らかに・・。
今までは一度も二重購入なぞなかったのに・・。ショックその2であった。

実感、年はとりたくないものだ。

土屋隆夫の『ミレイの囚人』に続く最新作『聖悪女』開始。
5
何故か1日からこの場所が開けにくくなっている。もともと本社は10月1日の組織改正後は統括部門の下にUがぶら下がっていないため、Uやチームの組織名での検索か職員名での検索でしか開ける方法がなかった。
ところがそれに加えて、やたらにしつこくパスワードの入力を求めてくる。とくに画像を多く貼り付けられている方のページはクリアーするまで大変。しかも、その結果は画像が表示されない!!(×印のみ)
またリンク(A尾氏苦心のリンク集も含めて)は、殆どError401でジャンプしない。

この状態は小生だけでしょうか? 何かよい方法があったら、どなたかご存知の方はご教示下さい。
6
 ↑ ↑ と書き込んで帰ったら、その後あのA木様(? 誰かの真似?)から直々のメールを頂戴していた。
7
(11月6日の続き)
勿論、朝一で返信メールを差し上げたが、再度より長いご親切なメールをいただき、恐縮する。有難いことである。支社ではどうしても情報が少ない傾向があるので・・。

おかげで幾分環境は改善されたが、本社の方々の画像を見られない状態は続いていて、原因はよくわからない。再三話題に上るK川さん作成になるおいしそうなお菓子(杏仁も含めて)の画像は全部見えているのだから、なおさらわからない。

まあ小生も気が長い方なので、自然回復を待つことにしよう。
8
K川さんからも直々のメールを頂戴する。それも2度も。有難い、この日記のおかげです。

おぼろげながら分かってきたことは、小生が見ているイントラは「イントラ2」と表示されているのに対して、画像のある本社の方々のページは「イントラ1」、K川さんの画像は「イントラ3」にあるようだ。
この違いが、画像が見えたり、見えなかったりする原因では?
皆様のイントラは何と表示されているでしょうか?

すみません。「杏仁友の会」の会長はてっきりS巻さんと思っていました。入会についてはK阪君のご了解を得ましたので、会長には一言ご挨拶をしなくては。

I黒嬢へ。
どうか新入会員をよろしくお引き回しください。

土屋隆夫『聖悪女』読了。
著者が85歳の誕生日に書き上げたといわれる最新作推理長編。前作『ミレイの囚人』と同様、高齢のハンデを感じさせず、反対にとても若々しさをを漂わせた作品である。
水商売の世界をその美貌を武器に泳ぎ渡った女主人公が、自らの半生とその遭遇した悲劇的な事件を著者に語るという形で話が展開してゆく。
女性の中にはその象徴である乳房に加えて、副乳という第3の乳房を持つ人が稀にいるようだ(巻頭に引用されているように、水上勉の名作『五番町夕霧楼』の女主人公もそうだったという)。この物語の女主人公もその副乳を持ったがゆえに、「近寄る男を不幸にする」という呪縛から逃れられず、日本各地を転々とする。
ようやく自分の愛を注ぎ込む相手を見つけた時、悲劇の幕は切って落とされる。推理小説仕立てとはなっているが、一人の女性の半生記を読んだようで、すがすがしい印象を受けた。
勿論、殺人をめぐるアリバイ崩しもなかなかのものであったが、著者の意図も単に推理小説にとどまらない文芸的な完成度ではなかったか?
9
何も役に立たないが、間接的な支援の気持ちを強く持って出社。

12月からサービスメイトの機能強化を目指し、いろいろ改正がある。その一つである報酬規定の改正を、本社で作成してくれたエクセルを使用して、シミュレーション。うーん、ちょっと頭が痛い、とたまには仕事のことも書いてみる。

昨日町田市立図書館から、借りている図書の返却が遅れてれているとの督促状がきていた。すいません、急いで返しますから。でも、どうしよう、宮部みゆき『長い長い殺人』を読んでない! 頑張っても今日中に読み終わるか? →無理だった。

リクエストした書籍が準備済みとのはがきも来ていたから、明日は久しぶりに図書館に行かなくては・・。
でも、たくさんリクエストを出しているから、何が来ているのだろうか。明日のお楽しみである。
10
今日は快晴、抜けるような青空で、暖かい。絶好のウォーキング日和である。ということで、拙宅から町田までJRで1駅3分の近さだが、日頃の運動不足解消の為に遠回りのコースを歩いて図書館に向かうことにする。

出発して5分で恩田川に出る。前にH常務が紹介されているように、鶴見川の支流で約5Kにわたって遊歩道が整備され、歩きやすく気持ちがいい。ジョギングする人、サイクリングする人、犬を連れて散歩する人、さまざまな人と行き交う。川は人工的に整備され過ぎてやや自然の味に欠けるが、水は結構澄んでいて
所々鯉が群れをなし、鴨達が気持ちよさそうに水浴びしている。野鳥もいろいろきているようだが、H常務に教えていただかなければ分からない(真っ白い子鷺は見たことがある)。

30分歩いて川を離れ、住宅地を抜けて芹が谷公園に入る。ここはいわゆる「谷戸」に作られた公園で、自然がかなり残されている。子供達の元気に遊ぶ声が園内に響く。

約1時間のウォーキングで図書館に到着、殆ど汗もかかず、快適な運動であった。読み残した宮部みゆき『長い長い殺人』は他にリクエスト者がなかったようで、再度借り出しができた。準備できていたリクエスト本は、高橋克彦『ゴッホ殺人事件』(上下)であった。それにしても、高村薫『晴子情歌』(上下)は当分待たされるのだろうか?

その他『開国日本と横浜中華街』、土屋隆夫『不安な産声/華やかな喪服』などを見つけ、借り出し。

K床財務統括部門副統括部門長が日記で面白いと書かれていた時代小説に興味が湧いて、端末で「保科肥後守」と照会したら、中村彰彦『保科肥後守お耳帖』と『保科肥後守お袖帖』の2冊が返ってきた。この著者は保科肥前守正之に関する著作がいろいろあり、中公新書で出ている評伝を読んだことがある。前者は他館に所蔵されていたので、即リクエスト、後者は書架にあったので、借り出した。

帰りは荷物が重くなったので、最短コースで歩いて帰宅した(約30分)。早速『保科肥後守お袖帖』から取り掛かる。
11
今日は育成基盤開拓会議(中間機関長会議)。営業総局からK内担当GM(同期)がきてくれて挨拶、さすがに機関長19年の経験者だけに機関経営についての話には説得力がある。ただただ、感心、納得。
各機関とも奮闘されているようで、数字は好調だが、11月「生命保険の月」も後半戦突入、この1週間が最終業績の成否を決める週となろう。最後まで諦めずに頑張って欲しい。

『保科肥後守お袖帖』面白くて、行き返りの電車の中だけでなく、家へ帰っても読みつづけ、1日で読了。
徳川三代将軍家光の異母弟として生まれながら、家光の生母に疎まれたために、保科家へ入り、高遠藩主から会津藩主となって、幕政を補佐して名君と謳われた保科正之を主人公または脇役とした短編連作。
K床さん、謙遜されていたけれども、近頃少ない上質の時代小説ではないですか。時代考証もしっかりしているし、5話とも異なった観点から書かれていて、それぞれが正之の名君ぶりを鮮やかに浮き彫りにしています。是非、続編のこちらもお読みください。小生は
順序が逆になりましたが、『お耳帖』も楽しみです。また面白い時代小説・歴史小説がありましたら、ご教示ください。
12
西川武臣・伊藤泉美『開国日本と横浜中華街』開始。
「杏仁友の会」に入会したから、ちょっとばかり横浜中華街のお勉強を・・。ということで、久しぶりに近代日本史の本です。固く言えば、幕末から20世紀初頭までの日中交流史を横浜を舞台に中華街の発展を絡めながら、まとめたもの。

これでも、昔大学で近代日本経済史を専攻していたから、歴史は得意(!)と思ってたが、読んでみると結構忘れているし、新しい史実がぼろぼろ。目からうろこが・・・。

やはり歴史は刺激的だ!
13
西川武臣・伊藤泉美『開国日本と横浜中華街』読了。
著者は横浜開港資料館の研究員。資料館は開港前後の豊富な資料の収蔵と研究で知られている。小生も一度見学し、いろいろ珍しい資料を見て、楽しんだことがある。

この本では、開港後の輸出入貿易で、中国人が買弁(
いわゆる仲介人)として重要な役割を担っていたことが資料を通じて明らかにされる。そしてそれに伴って多くの中国人が来日して、徐々に今の中華街の原型を作って行ったことがよく分かる。開国というと、欧米諸国との関係を云々されることが多いが、この本を読めばそれは片手落ちであり、今までの常識を変えなければならないと痛感される。

10日の日記に高村薫の最新刊『晴子情歌』を図書館でリクエスト待ちしていると書いたら、何とU飼さんの目に止まって、「貸しますよ」との有難いメールをいただいた。モチ、即「お願いします!」と返事を差し上げる。感謝!感謝! これもイントラ日記のおかげです。
U飼さん、遅まきながら
   祝!! 日記更新再開!!
14
高橋克彦『ゴッホ殺人事件』(上下)開始。

えっ、ゴッホって拳銃自殺したんじゃなかったっけ?
なのに殺人事件?とは思いながら、著者のデビュー作は『写楽殺人事件』、そして『北斎殺人事件』『歌麿殺人事件』と画家シリーズがある。最近は伝奇小説が多い(これがまた面白くてやめられない)が、久しぶりのこのシリーズ、興味津々!
15
Nガセさん、U木さん。
今まで小生が勘違いしていました。「BOOMER道一直線」と「アル中」のお二人ですが、断じて「追っかけ」ではないことがよく分かりました。認識を改めます。まさに「旅」ですな。それも羨ましいほど贅沢な「旅」!! だって、好きなライヴに体ごと浸って、その土地のおいしいものを味わって、観光して・・。

小生だったら未乗の鉄道に乗って、ひっそりした静かな温泉につかり、おいしいものを味わう旅をしたいと心底から思ってます。でもなかなかかなえられませんがね。

ところで、U木さん。
今悪魔のささやきが耳に残って、ハムレットの心境(何じゃそれは大袈裟な!という突っ込みがありそうですが)です。といっても誰も分からないよなあー。

高橋克彦『ゴッホ殺人事件』(上下)継続。
ナチスが押収した未発表のゴッホの作品とそれを巡る殺人事件、そしてゴッホの死の謎を追って、小気味良いテンポで話が展開して行く。著者の作品はいつもそうだが、面白くて止まらない。早くも上巻を終了して、下巻へ進む。

また、リクエスト本が来たようなので、会社帰りに図書館へ立ち寄る。いや、別に会社をサボった訳ではなく、火・金曜日は20時まで開館していてくれるので、サラリーマンでも利用できるのだ。10分前に入れてすべりこみセーフ。

中村彰彦『保科肥後守お耳帖』、山田正紀『ミステリ・オペラ』入手。でも、後者はハードカバーで2段組680ページにも達する大冊、うーん、読みでがありそう。
16
何も役に立たないけれど、気持ちは営業支援で出社。

K−tokoさんのページが本当にものすごいことになっている。

イントラ日記界に突如現れた超大型新人が、助走期間を終えてついにその全貌をあらわす。今巷で話題騒然、諸氏絶賛の『イントラ日記連載小説』!!

その描写たるや読者がその場に立ち会っていると錯覚させるような臨場感に富み、ひきつけてやまない。1日毎のエンディングも早く次の日を読みたいと思わせる心憎い終わり方。当分目が離せない。

高橋克彦『ゴッホ殺人事件』(上下)継続。
17
12月の歌舞伎公演夜の部(三島由紀夫作『椿説弓張月』通し狂言)のチケット取り、電話かけまくったけれど、全くつながらず結果は惨敗! 今までで最悪の最後列2列目(二等席)、うえーこれじゃあ沢潟屋(市川猿之助)の宙乗りが良く見えないよ。

でもしょうがないか、取れただけでもいいと思わなきゃ。頼んだのが土曜日だし、猿之助、勘九郎、玉三郎の豪華組み合わせの公演だし。勿論、小生のお目当ては、大和屋(玉三郎)の白縫姫。三島由紀夫が玉三郎にあてて書いた役で、33年ぶりに演じるもの。これは絶対必見です。

高橋克彦『ゴッホ殺人事件』(上下)読了。
ゴッホの死の謎を追及する研究者が殺され、事件が混迷を深めるとき、探偵役の浮世絵研究家が登場し、話は急展開する。フランス、オランダ、スイス、日本を舞台にモサド(イスラエル中央情報局)も絡んで、繰り広げられる未発表のゴッホ作品と犯人探し。
思いがけない犯人の割り出しと作品の行方が明らかとなり、最後にゴッホの死の真実が・・。
ゴッホ書簡集などを資料にこれだけスケールの大きな作品を作り上げる作者の構想力にはいつもながら脱帽する。『総門谷』などを代表とするSF伝奇小説も他に比肩する者がない水準のものばかりだが、推理ものの作品も今後是非読みたい。

ただちに中村彰彦『保科肥後守お耳帖』にとりかかる。
18
朝一番のペリカン便で『晴子情歌』(上下)が送られてきた。
U飼さん
早速有難うございます。今日から読み始めます。

今日インフォメールあさひの件でお客様のお相手をした。元某大銀行にお勤めの後、関連会社に勤務されて
から引退された方のようで、「当社との契約も30年以上継続しているのに、他の契約者と同じに扱うな、いまさら保険王でもないし、アンケートも一方的に送りつけるな」といたくおかんむり。電話だったので、一方的に喋られ、当方としてはご機嫌を損ねないようによく趣旨を承ります、と当り障りない回答をしたが、こういうお客様の対応が一番難しいと反省。

このページの環境が悪くなったと前に書いたが、何故か今日午後になって突然改善され、画像がすべて見えるようになった。
どうしてなんだろぅ、なぜなんだろぅ。
皆様お騒がせしました。

中村彰彦『保科肥後守お耳帖』継続。
高村薫『晴子情歌』(上下)開始。
19
11月「生命保険の月」もいよいよ追い込み。年達18%目標だが、ここは胸突き八丁、各機関とも苦しそうである。最後までのご奮闘を祈るのみ。

中村彰彦『保科肥後守お耳帖』読了。先般読んだ『お袖帖』と姉妹編をなしているが、どちらから先に読んでもとくに支障はない。会津松平家の始祖となった保科正之を主人公または脇役として、その名君振りを虚実取り混ぜて描いた全5編の短編連作。
どれを読んでも面白いが、「会津騒動ふたたび」がさすがに名君といわれた正之でも奥向きのことでは苦労したことが分かり、興味深かった。この作者は会津史を自分の一生のテーマにしているようで、他の会津関連の著作も読みたくなった。

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。

ペタG入りの報道、Gファンとしてもちょっと複雑。
確かに札束の差だとの批判も甘受せざるをえない。松井の抜ける穴は間違いなく大きいが、今年のGの優勝は原新監督の大胆な生え抜きの若手起用が成功したのであり、そのような若手の主軸起用ではだめなのかなとも思う。今まで、他球団から来たいわゆる大砲は殆ど成功していない。石井しかり、広沢しかり、江藤しかり・・・。しかも大型補強をした翌年は優勝していない・・・。うーん??

帰りに、いつものタワーレコードに寄り、愛読の『レコード芸術』を購入するついでに、「ラヴェル/ドビュッシーの管弦楽全集」(マルチノン指揮パリ管弦楽団)を衝動買い。@500円だから廉い買い物なのだが、我が家もプロジェクトRなのに、何やってんのだか。
20
昨日買ったCD、ラヴェルから聴いている。『ラ・ヴァルス』『スペイン狂詩曲』『ボレロ』等々。やはり『ボレロ』はいつ聴いてもいい。今日は1日中ボレロのメロディーに乗ってお仕事(ちょっと不謹慎?)。

Y支社O野さんへ
15日の記事に電車かぶりつきとありましたが、何も恥ずかしくはありませんよ。小生もこの年で列車・電車ファン(鉄道ファン)で、さすがにいつも乗っている線のときはしませんが、未乗線のときはできる限り、かぶりつきか窓側でずっと外を眺めています。
日本の全JRと私鉄を完乗するのが夢で、ぼつぼつ近郊の電車から乗りつぶしています。今度どこか乗りに行きません?

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。まだ物語がどう展開するか分からないが、少しずつながら読みつづける時の充実感は何なのだろう。徐々に作者の文体と呼吸が合ってきているせいなのか?
21
今日のラヴェル、『ダフニスとクロエ』。管弦楽と合唱のない交ぜとなって作り上げられる音の世界は、はるかかなたの宇宙へ運ばれてゆくような快感を覚える。フルートソロも美しい。

鉄道ファンについて(昨日の続き)。
大体男は幼児のときから乗り物が好きだ。ただ、我々の子供のときはまだ車は贅沢品だったから、興味の対象はバスと電車だった。小生の実家の近くを走っていたのは玉電と親しまれたチンチン電車(路面電車)で、まだ狭かった玉川通り(国道246号)を車にはさまれて窮屈そうにしてのろのろと走っていた。また砧線という支線が二子玉川から砧まで単線で通じていて、僅か1輌の古い車輌が往復していた。
これらの車輌は運転手のすぐ右そばに陣取れば、前方と運転の両方を見ることができたから、スピードは出ていなくても、楽しめた特等席だった。他の私鉄に乗ってみて電車というのは早いものだと知っても、小生の電車の原点はこのチンチン電車で、大学を出て就職するまでこの電車を利用し続けた。

大学に入ってあちこち旅行するようになってからは、旧国鉄のローカル線のひなびた魅力につかれ、意図的に乗るように努めたが、会社に就職してからは出張も飛行機が多いうえ、行くところも限られているので、未乗線はあまり減ることなく、今に至っている。

だから、定年後になるかもしれないが、日本の全鉄道に乗りたい。今バイブルは、宮脇俊三氏の鉄道紀行もの。とくに旧国鉄時代の全線完乗の記録である『時刻表2万キロ』と一筆書きの日本一周記録である『最長片道切符の旅』は、何度読んだか分らない。
ああ、時刻表と宮脇氏の本を持って鉄道旅行をしたいなあ!

K川さま。
山陽線は当然何度も乗っている(出張で旧下関支社時代に伺ったこともある)のですが、残念ながら山陰本線は出雲以降は未乗ですから、萩・長門を含めた日本海側の山口県には是非行ってみたいところです。美祢線というローカル線(?)もありますしね。今すぐには行けませんが、一度良い観光スポット・温泉を教えてくださいね。

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。
22
今日のラヴェル、『クープランの墓』『亡き王女のためのパヴァーヌ』等々。華麗な管弦楽が鳴り響く曲が多いなかで、『亡き王女のためのパヴァーヌ』はしっとりとした佳曲。ホルンのソロが胸に染みる。

島田荘司の新刊『吉敷竹史の肖像』が発売される。書き下ろしの小説が2編収められているとともに、今まで発売された吉敷竹史シリーズの事件の舞台となった土地の風景や事件史年表もあって、ちょっとマニアックな吉敷竹史読本という感じ。このシリーズをすべて読んだファンとしては即買いなのだが、事件史年表は衝撃的だった。過去の事件がきれいに年表として整理できるのだ。
代表作の一つである『北の夕鶴2/3の殺人』にはじめて登場する別れた妻加納通子が複雑な過去を持ち、以降の何作かの作品にも主人公の一人として吉敷竹史といろいろと絡んでくる経緯は『涙流れるままに』で明らかにされたけれども、他の作品も含めてトータルで眺めてみれば、二人の成長史になっていたのだった。
言い換えれば、複数の推理小説が大河小説のような趣を呈してきていた。そこまで深い作者の意図を気が付いていなかったことは、迂闊であった。

御手洗潔シリーズと並び継続されてきたこのシリーズ、今後はどのような展開を見せるのだろうか? 吉敷竹史と加納通子の二人の関係はどのようになるのか?

U木さま。
風邪お大事に。

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。
23
11月「生命保険の月」もいよいよ最終の土曜日、皆さんの最後の奮闘を祈りつつ出社。

今日のラヴェル、『左手のためのピアノ協奏曲』『ピアノ協奏曲』。前者は左手一手のために書かれているので、低音中心の迫力あるピアノを管弦楽が包み込むようにして進んでゆく。後者は古今のピアノ協奏曲の10指に入る傑作。華麗な金管群と切れのよいピアノの掛け合いがスリリングで、何度聴いても飽きない。

島田荘司『吉敷竹史の肖像』から『吉敷竹史、十八歳の肖像』読了。短編だが、彼の生い立ちから刑事になることを決心するまでを描く、興味深い1編。

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。
24
今日のドビュッシー、交響詩『海』、『夜想曲』そして『牧神の午後のための前奏曲』。もう言うまでもないドビュッシーの代表作ばかり。とくに交響詩『海』は彼の名を不朽たらしめた管弦楽の名作。スケール大きく海のあらゆる面を描き切る。
『牧神の午後のための前奏曲』はフルートが何か物憂い午後の倦怠をも微妙に表現している。

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。
25
週初めの朝から、ヒドイ目に会いました。

A尾さんのようにカッコイイ話ではなく、小生のぶざまな話です。まあ素直にそのまま書いちゃいましょう。

拙宅の最寄のJRの駅から1駅で私鉄の乗換駅になる。いつも乗り換え客が大勢下車して、その後はどっと空く。それで、いつも乗り換え客が最も多く下りるドアを選んで乗っている。混んでいてもうまく中まで入れるので、今まで何の問題も無かった。

ところが、今朝は雨が降っていたためか、いつもよりやけに混んでいて、乗ったときに中へあまり入れなかった。乗換駅に着いて、乗客が一斉にドアに殺到する。
それをかき分けて中へ入るつもりが、あまりの勢いに押され瞬く間に乗客の波に飲まれた。あっと思う間もなく体がふわっと浮いたと思ったら、次の瞬間押し出され、ホームに横転していた。目から火花が散った。一瞬何が起こったか分らず、回りの乗客に助け起こされる始末(恥ずかしい!)。のろのろ立ち上がって、電車に乗ったが、気が付いてみると左腕を殴打したらしく、腕全体に強烈な痛みが・・・(涙)。

何とか会社に着いてから腕を見てみると、擦過傷だけだったが、全体に腫れていて、いてててて、腕が上がんないよぉ。しかも普段の鍛錬不足が露呈して、左上半身にも痛みが・・・。

もう端末の入力も電話も片手だし、仕事にならないよぉ。帰宅してからあちこち膏薬を張って大変でした。

という訳で、一部で盛り上がっている来年のG−T戦の論議に参加しようと思ったが、端末の入力で痛い!状況でギブアップ。

したがって、今日のドビュッシーは昨日と同じです(関係ないか?)。

高村薫『晴子情歌』(上下)こちらはしっかりと継続。
26
昨日の左腕の痛みはだいぶよくなったが、左上半身の痛みは残っている。もぉ歳やね、やだやだ!

今日のドビュッシー、『映像』。聴き手のレヴェル不足か、今ひとつ胸にすっと入ってこなかった。必再聴。

高村薫『晴子情歌』(上下)、上巻読了。少しずつペースが上がってきたように思う。やはりミステリーではなかった。あの『リヴィエラを撃て』『レディージョーカー』の作者がこのような作品を書くとは!
これは晴子が息子に手紙を綴る形をとった一つの昭和史と自己形成史ではないでせうか? 旧仮名遣い、旧字体で書かれる手紙の何と懐かしいことでせうか。
27
いやー、11月「生命保険の月」が終わりましたね。
当支社の機関長、営業職員さんの皆さんの驚異的な追い込みにより、目標の年達率18%には届かなかったものの、対前年107%の伸びで年達率16.1%を達成。本当にお疲れ様でした。
夕方の機関長会の後の慰労飲み会に混ぜてもらう。機関長の皆さんの表情には一仕事成し遂げた安堵感と疲労感がこもごもあったようだ。

前日の上半期業績報告の発表を受けて本日の顧客の反応やいかにと見守ったが、特段変わったことも無く、
ほっと一安心。顧客のほうも慣れてきたのかな?

高村薫『晴子情歌』(上下)、いよいよ下巻に入る。

今日のドビュッシー、『映像』を再聴するも、↑の飲み会の酒がきいていて、即お休み。殆ど子守唄にもならなかった。
28
I井さんドイツにいらしたのですね。ブラームスは本当にドイツそのもの、それも北ドイツ(行ったことはないけれど)の音楽と思います。暗い情念のこもった彼の音楽はやはり今の季節が一番あうのでしょうか。
小生も交響曲では第4番、それもちょっと毛色が違うかもしれませんが、C・クライバー指揮VPOのCDを愛聴しています。室内楽はピアノ五重奏曲、クラリネット五重奏曲などどれをとってもよいですね。

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。
29
↑ ↑ と書き終わって、再度職員のページを検索したら、何とI井さんが二人いる!

一旦回復したこのページの環境、再度悪化! 画像が見えなくなってしまった。A本さんのページは画像が見えないと何がなんだかわからないよ。

どうしてなんだろぉー。なぜなんだろぉー。

夕方、業務打合せ(別名、飲み会とも言う)のため、1ヵ月振りに新宿へ。
当然「湘南新宿ライン」に乗って、先頭のかぶりつきに陣取る。この電車、鉄道ファンには興味深い線で、結構複雑な経路をたどる。まず、大船から大崎車庫あたりまでは横須賀線の線路を走る。ただし、東海道線も小田原や国府津発の電車が乗り入れてくるので、湘南新宿ラインといっても2つの系統があることになる。
小生が乗った電車は東海道線の系統なので、横須賀線だけの駅は止まらず、戸塚→横浜→恵比寿となる(11月30日まで)。今日の関心は大崎近辺だったが、
@東京方面と新宿方面の分岐点? 予想に反して右に分岐し、右回りに東京方面の高架の下を通り抜ける。
A「りんかい線」の出口は? これは予想通り新宿方面の上下線の間を割って地下トンネルの出口が見えていた。
B大崎駅の増設ホーム? 新宿方面の線路に2つ島、4つのホームが出来上がっていた。
明後日の12月1日から大崎に「湘南新宿ライン」が停車し、埼京線が恵比寿から、りんかい線が天王洲アイルからそれぞれ延伸してドッキング、相互乗り入れを開始する。
大崎からは埼京線の線路を池袋まで走り、その後貨物線を通って赤羽→大宮に至り、東海道線の電車は高崎線の高崎方面へ、横須賀線の電車は宇都宮線(東北線)を宇都宮方面へ抜ける。
戸塚から新宿まで乗り換えなしで40数分で走るから速い。新宿でかなり乗客が入れ替わるようだ。

飲み会、同期との気楽な飲みなので、杯が進む。こうやって何の気兼ねもなくいろいろな話をしながら酒を飲むと、11月戦の疲れも忘れる。同期との飲みだと小生も結構酒が強い!?

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。
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何故か2日連続新宿にいる。
いや別に仕事ではないのだが、1ヶ月振りの土曜休日なので、たまっていた用事を片付けにでてきた。ついでに本屋やレコード店などを徘徊。

紀伊国屋書店で戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』を見つけ購入。昨年発行された文庫だが、一般の店頭ではあまり出ていないので、見落としたものだ。すぐれた演劇評論家であった著者が、また上質なミステリーの書き手であったことは忘れられてきたかもしれない。歌舞伎役者中村雅楽を名探偵にしたシリーズは、とても味わい深いものだった。
この本は江戸歌舞伎に題材をとった時代小説であるが、ミステリー仕立てとなっている短編集のようで、1編ずつ楽しめそう。

マイシティのまわしもの、いや違うラーメン道の達人A尾師匠お勧めの「くじら軒」のラーメンを食してみようと11時半頃に行ったのだが、何と早くも20人位の行列ができてる!
こりゃいかんわ、と早々と退散した次第。また別の機会を狙うしかないか。

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。
戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から1編(振袖と刃物)。
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12月の予定

予定
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何故か気が付いたら新宿にいた(3日連続)←ウソ、パクリ。

12月1日JRのダイヤ改正、鉄道ファンとしては東北新幹線の八戸延伸など是非行って見たい(今読んでいる『晴子情歌』の舞台の一つが八戸でもある)が、時間的・金銭的余裕がなく、りんかい線に乗ってみることにした。

町田から新宿に出ようとしたら、ロマンスカーが丁度来たので、奮発して乗車。最新型EXEの車輌だったので、なおさら得をした気分で、ゆったりとくつろぐ。途中で急行を追い抜いてゆくのも気持ちがいい。

新宿駅埼京線ホームは鉄道ファンらしき人たちで混雑していた。ダイヤを見ると、従来恵比寿まで行っていた川越発の快速がそのままりんかい線に直通するようで、1時間に3本ほどある。
11時26分発直通新木場行きの先頭車両は一目でも前方を見ようとする鉄道ファンで満員だったが、何とか前方を見通せる位置を確保できた。35分に恵比寿発、これからが延伸部分だが、一昨日乗った「湘南新宿ライン」と同じ旧貨物線を走るので、あまり新線部分を走っているという感じがしない。
3分で増設された大崎駅の新しいホームに到着、電車前方の写真をとろうとするファンもたくさんいる。
大崎駅を発車するとりんかい線となる。真新しい線路はすぐに地下トンネルへ潜り込む。大井町、品川シーサイド、天王洲アイルを経由して、お台場地区の中心の東京テレポートへは11時49分着。新宿から23分、確かに新宿方面からりんかい副都心へは便利になった。国際展示場前を経て地上に出た後、終点新木場へは11時56分着。改札口は記念のsuicaカードを買おうとする乗客が行列していた。
大崎行きの電車は7〜8分おきにでているので、帰りはそれに乗る。行きの混雑が嘘のように空いている。
大崎駅の新しいホームに降りて、キョロキョロしていると、「湘南新宿ライン」の横須賀行きが総2階建ての新型車輌で入線してきたので、ただちに乗車。2階に席を占め、横浜まで視界のよい20分のミニトリップを楽しめた。この「湘南新宿ライン」、大変好評のようで、ダイヤ改正で1日25往復から38往復へ増発されてより便利になった。

夜、NHK教育TVの「N響アワー」「芸術劇場」と見もののクラシック音楽が目白押し。ただし、TVのチャンネル権は家人に握られている(涙)ので、せっせとヴィデオ取りに励む。
N響は、今注目のロシア人指揮者ワレリー・ゲルギエフとストラヴィンスキー『春の祭典』。どこまで野性味溢れる演奏ができるかが焦点。
「芸術劇場」はいまさら言うまでもない世界的名ピアニストM・ポリーニのリサイタル、ショパンとドビュッシーのプレリュード(前奏曲)集。
ショパンの『24の前奏曲』の中途から視聴できたが、18歳でショパン・コンクールに優勝し、30歳頃からレコードデビューしたこのピアニストも60歳を迎えて、頭髪も真っ白になった。でも、その完璧なピアノ奏法は全く衰えを見せず、かえってより深みを増しているように見受けられた。『24の前奏曲』は、『エチュード(練習曲)』と並んでショパンの名作の一つで小生の大好きな曲だが、ポリーニの演奏で名作がまたより新鮮に聞こえた。全曲のヴィデオを鑑賞するのが楽しみになった。

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。
戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から2編(座頭の襦袢、美しい前髪)。
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皆様、またもやお騒がせしまして申訳ありません。今朝イントラ画面を開いたら、ふたたび回復、画像が全部見えるようになりました。
A本さん、画像ばっちり見えます。でもあゆの顔何であんなに違うの?

それにしてもU野さんのダンスのページがないのは何故?

Nガセさん
レス有難うございます。ハウステンポスへの旅取り止めで残念でしたね。でも紅白へ出てもらえれば、一般の我々でもBOOMのTV応援ができますよ。来年またいろいろ旅へ出てください(もっとも、その時はもう貴女のレポートは読めない!)。
ところで、最近はゆうべーおかあさん代行(?)でお忙しそうですが、お宅の可愛いネコちゃんの消息が気にかかります。お元気ですか?
そうそう、もう一つお願い。小生の社歴は↓の私のページのとおりですが、長すぎた法人部門で一緒に仕事をした懐かしい仲間、貴女の近くに座っているであろう秋〇K、☆野Sのお二人に「元気か? 頑張れよ」とよろしくお伝えください。

ご伝言有難うございます。
またネコちゃん元気そうで何よりです。賢いネコですね。冬は一緒に寝てくれれば暖かそう。
鉄道紀行(のつもり?)が西村京太郎になっちゃいました? 前はよく読んでいたので、影響を受けてますかね。もっと精進して、宮脇俊三センセイのような文章を書けるようにしたいな・・。

そうですか、N門はK査ですか。11月が終わってほっとしているところでしょうから、またまたご苦労様です。でも、仕事とはいえ、少し羨ましい、誰だろうN門まで行ったK役は?

『生麦事件』もう終わりですか? 早いですね。『天狗争乱』『桜田門外の変』どちらも読むに値する作品と思いますが、天狗党の逃避行を淡々と、しかし克明に描いた作者の筆には鬼気迫るものがありましたね。

と↑は殆ど交換日記状態(勝手に)。

高村薫『晴子情歌』(上下)継続。後一息、大詰めに近づいた。
戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から1編(種と仕掛け)。若い美人の女房に焼餅ばかり焼いて困らせている大店の主を懲らしめようと、作者見習が仕掛けた狂言とは?という謎の解き明かしから、女装の男を設定して狂言を書いた立作者河竹新七、後の黙阿弥の白波ものの名作『三人吉三』(『三人吉三廓初買』)『白波五人男』(『青砥稿花紅彩画』)の成り立ちの秘密を推理する作者の手並みは鮮やか!と感嘆するしかない。
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K川さま
打ち身をご心配いただき、有難うございますぅ。初めての経験で、こんなに痛みが長引くとは思いませんでした。もう年をとるといやですね。おかげさまで、やっと昨日あたりから痛みが少しずつ引いてきました。

K査、どうせ来るなら早く来たほうがいいですよね。
待ってるのはちょっとつらいものがあると思います。でもK役さん達も貴女のように理解してくれてやさしく迎えてもらえれば、感激するでしょう。何せ毎日毎日ビジネスホテルを移動しながらの連続の出張のはずですから。どうかお互いに気持ちよく円滑にK査が終わりますように!

昨日の朝日新聞夕刊の記事から。
年末恒例の第9(ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」)であるが、今年は3人の指揮者の新盤が揃い踏みで、いずれも売れ行き好調らしい。FMでは4分間の第9(70数分が4分にダイジェストとは!)も流れているようだ。まあこの不景気なご時世、あまり目くじらを立てる必要もなく、素直に喜んでよいのだろう。
さて、小澤征爾盤、サー・サイモン・ラトル盤そして佐渡裕盤の3種の新譜、あなたならどれを選びます?
小生の選択は?・・・うーん、できるものなら全部欲しい!

戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から1編(幼馴染)。天才的立作者鶴屋南北がその出世作『天竺徳兵衛韓噺』で画期的な早がわりを想い付くまでを描く。

高村薫『晴子情歌』(上下)、つひに読み終わる時が来ました。今の気持ちをどふあらはしたらよいのでせうか? 
一時期熱中していた山登りで、往きの登り道は確かに苦しいが、一度自分のペースをつかめば、つらい・厳しい登りでも、登るのが楽しみになってくる。そして最後に頂上に達したときの歓喜といったら、何にもたとへやうがない。
この本は、久しぶりにそのやうな感動を与へてくれました。主人公晴子が漁船員として海に出ている息子に宛てて綴り続けた手紙の数々、そこには大正から昭和にかけての日本の懐かしい姿が、北海道と青森を舞台にして浮かんできます。そして晴子の生き方の何と清清しいことでせうか。
晴子の手紙を読み続けて、複雑な出生を負い目にしながらも自己のアイデンティティを探して放浪する息子の姿。
二つの異なった文体で浮き彫りにされる二つの世界はお互いに拮抗し、また調和してこの感動的な物語を創り上げている。
高村薫とは、このやうな奥深い物語を語れる作家だったとは!

小生にとって、忘れられない小説の一つになるであろうこの本を読む機会を与えていただいたU飼さんにあらためて感謝します!
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またまた新聞ネタで恐縮ですが・・・(朝日新聞より)。

○タマちゃんヨコハマ定住
一躍人気者となったアゴヒゲアザラシのタマちゃんがヨコハマでこのまま越冬しそうである。
最初多摩川で発見された彼(?)は、その後鶴見川、帷子川(「かたびらがわ」と読みます。けっして「キャタピラがわ」ではありません)そして大岡川と南下を続けたが、反転して帷子川に戻り、今は横浜港と帷子川を往復して生活しているらしい。
大岡川に居住してくれれば当支社の管内になるので、
生タマちゃんを見に行けたのに・・。
でも、帷子川も尾張屋橋近くを根城にしていることが多いようなので、横浜駅へ行った方は相模鉄道西横浜駅まで足を伸ばせば、生タマちゃんにご対面できるかも。

○パパ・ハイドンにやっと光〜ハイドン復権の兆し〜
モーツアルトやベートーヴェンの陰に隠れて今ひとつ人気のなかったハイドンに、ようやく光が当りつつあるようで、交響曲全曲演奏の試みもあるようだ(全104曲!)。
学校の音楽の時間でハイドンの曲を聴かされた人は多いはずで、今まで人気の出なかったのが不思議なくらいだが、教養主義の影響下でクラッシク音楽を聴く習慣のあったこの国ではハイドンの上品なユーモアのある音楽はなかなか理解できなかったかもしれない。
『驚愕』『軍隊』『時計』『太鼓連打』など愛称のある交響曲も多く、ベートーヴェンよりずっと親しみやすいと思う。
記事にはなかったが、最近のオリジナル楽器による演奏の隆盛もハイドン復権に寄与している。
お勧めは、ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラとクイケン指揮ラ・プティト・バンドの演奏による第93番以降の交響曲集。
今小生はハイドンの宗教曲にはまっていて、とりわけガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ&モンテヴェルディ合唱団(この組み合わせが最高!)の『天地創造』が愛聴盤になっている。

戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から2編(お七の紋、女形と胡弓)。後者は胡弓の弾くメロディーが「愛想づかし」という歌舞伎の演出の象徴となっていることが明らかにされる。知らなかった、一つ勉強になった。

島田荘司『吉敷竹史の肖像』から『光る鶴』開始。
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戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から1編(夕立と浪人)。今はいないが、江戸時代の歌舞伎役者に中村仲蔵という人がいて、「きちがい」といわれるほど、舞台の工夫に凝り固まる役者気質の人だったらしい。写楽の絵のモデルにもなっていたように思うが、記憶違いかもしれない。
『仮名手本忠臣蔵』五段目に出てくる定九郎は、おかるの父、百姓与市兵衛を殺して懐の金子を奪う悪役の山賊だが、昔は随分じじむさい格好ででていたので、つまらない役だとされていたようだ。
これを現行の白塗りのいい男の浪人の型に工夫したのがこの仲蔵だといわれている。
この工夫の苦労とそれに絡む成田屋の姿を描いた作品で、人情も丁寧に描かれていて、ほろっとさせられる。

島田荘司『吉敷竹史の肖像』から『光る鶴』読了。
著者が最近強い関心を持っている「冤罪と誤審」を主題にした作品の一つ。
今は寂れてしまった筑豊炭田の旧炭鉱都市で26年前に起こった親子3人の殺人事件、犯人として逮捕された男は最高裁で死刑の判決が確定しているが、義理の息子や友人は無罪だと信じて、再審請求に動いてるところに吉敷竹史が現れ、冤罪の可能性を確信して、僅か1日でその証拠を探し出そうとする。
電車の線路と線路との間に置かれた赤子の謎とその胸に置かれ銀色の鶴は果たして光るのか?
時刻表のトリック破りもあり、いつものシリーズとおり楽しめた1編だった。
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いやー、いいですね、みゆき様は! こんな小生でもみゆき様の歌は胸にじーんときます。話題になっている『誕生』は言葉に表せないほど素晴らしい!

支社親睦会兼忘年会で、Atamiへ。宿泊はローマ風呂で有名な「ホテル大野屋」。
会社業務終了後、高速ダッシュして現地集合。遠方の機関もあるので、宴会開始は20時から。
11月戦の疲れも忘れて、杯を交わしながら、ゲームやビンゴに興じる。あっという間の楽しい2時間。
場所を変えての2次会も参加者が多く、歓談しながらのカラオケも盛り上がる。
幹事さん本当にご苦労様でした。
部屋へ戻って、またビールで飲みなおす。久し振りにかなりの飲酒、でも我ながら、結構飲めるじゃん。
眠いけれどもこれで寝てはいけない。ローマ風呂へ入らなくてはと、夜中の3時頃風呂へ行った。さすがに人も殆どいない湯船にゆったりと浸かる。広い豪華な風呂、うーんやはり温泉はいい!

ローマ風呂といえば、年1回のお楽しみ、塩野七生
『ローマ人の物語第]T巻』の今年の発売日はいつだったろうか? と気になっていることを思い出した。
→調べたら12月11日発売だった。

以上、本日は読書もCD視聴もなし。
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睡眠時間4時間だが、しっかり起きて再びローマ風呂へ朝風呂に行く。温泉で朝風呂が最高!

朝食もぜんぶ平らげて、休憩してから10時チェックアウト。
駅前のお土産屋をぶらついて、干物を購入してから、帰途につく。

途中、いつもの図書館に寄って、図書棚を徘徊。今話題になっている高橋克彦『火怨』(上下)と『天を衝く』(上下)を見つけ、即ゲット。
あれれ、『火怨』はA木様も購入したって。こりゃ負けてはいられない。

高橋克彦『火怨』(上下)開始。
戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から1編(ふしぎな旅籠)。格式ある旅籠が食あたりを出してしまい、
客が寄り付かなくなった。どうしたら客を呼び戻せるか? 二人の若手役者が考えた奇策は? 無事成功して客は戻って、旅籠はまた繁盛した。
立作者鶴屋南北がこれにヒントを得て五代目岩井半四郎のために書いた『お染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)』。一般には『お染の七役』といわれ、現代でもしばしば上演される狂言。1人の立女形が次々と早代わりで性格の異なった七役を演ずる。当代では大和屋(玉三郎)が得意として、見事な舞台を見せる。
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拙宅の室内模様替えで、じゅうたんの張り替えのために、家具の移動と掃除・床の清掃に一日中追われる。
ああ、これじゃー筋肉痛になっちゃうよ。

高橋克彦『火怨』(上下)継続なるもあまり進まず。えー、A木様もう下巻半ばだって。ぜんぜんスピードが違うわ。とても追いつかない!

戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から1編(鉄の串)。いい男の成田屋(市川団十郎)の顔に疵をつけたらどうなるか?という趣向から、瀬川如皐が書いた世話狂言、有名な『切られ与三』(『与話情浮名横櫛』)である。源氏店のお富の妾宅の場は今でもしじゅう上演される。
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初冠雪。12月の雪は東京でも珍しい。交通機関は雪に弱いから、こりゃマズイといつもより早目に拙宅を出る。勿論、手袋とブーツでがっちりガード。昔雪道で転んで痛い目にあっているし、先般の横転で傷めたところをまた傷めたくはない。
電車は若干の遅れ程度で済んだので、かえっていつもより早く支社に到着、一安心。
朝礼当番だったが、さすがに皆さん少し出勤が遅れ気味であった。

夜、また雪が降ると電車が遅れると思い、早目に引き上げる。電車は定時運行されていたので、横浜で書店に立ち寄る。案の定、塩野七生『終わりの始まりーローマ人の物語第]T巻』が山積みされていた。例外として必ず購入することにしている著者の1人である。
1992年から1年1作のペースで書き続けられてきたこのシリーズ、全15巻で2006年に完結の予定だから、いよいよ後半に突入、何故古代ローマ帝国は滅びたのかという大きな主題を扱うことになる。
「歴史ほど面白いものはない」「歴史を知ることは人類を知ることだ」という著者の基本的スタンスは先般まとめられた『ルネッサンス著作集』から全く変わっていない。加えて古代ローマ帝国と現代日本の比較ということが常に問題意識として著者の念頭にあるから、読んでいても新しい発見に満ち満ちている。
ほぼ同時に他の出版社からでた塩野七生版ローマ史入門ともいうべき『痛快!ローマ学』まで購入してしまった(もぉ、懐寂しいのに買いすぎだっていうの!)。

高橋克彦『火怨』(上下)継続。
戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から1編(お染の衣装)。歌舞伎では女役は当然女形が演ずるのだが、稀に立役(男役専門)が勤める事がある。『鏡山』(『鏡山旧錦絵』だったかな、ちょっと怪しいが・・)で立女形が演ずる尾上をいじめる岩藤はその一つである。立役が演じることによってその憎憎しさが増す。当代の播磨屋(吉右衛門)の岩藤など見事なものである。
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いよいよ会長がK川師匠の指導のもと、杏仁の製作に乗り出すらしい。どんな杏仁になるのかな。出来上がりが楽しみです。
試食会やってくれないかなぁ。ヨロコビで参加しますよ。
ナルホド、「ふた付きぷりんかっぷ」という手があったか! それは思いつかなかった。それなら、いながらにして会長の杏仁もK川師匠の杏仁もいただけるというものです。
会費払います(?)から、ゼヒ送ってくださぁ〜い。

A木さん(あれ、今日はさんづけ。すみません)
小生、生まれも育ちも東京ですが、亡くなった父が石巻出身で伯父・叔母が陸前小野や矢本に住んでいたこと、母方の大伯父が船岡(山本周五郎『樅の木は残った』の原田甲斐の領地だったことは、もういうまでもありませんね)に住んでいたこと、などから宮城県は第2の故郷と思っています。学生時代、その家々を根城に東北地方のあちこちを旅行したのも懐かしい思い出です。叔母の言葉は、仙北と三陸の訛りが混じった分りづらいものでしたが、何日かいると自然と理解できるようになったというのも不思議なことでした。
今でも独特のイントネーションで「アキラちゃ〜ん」と呼んでくれた叔母の懐かしい声がよみがえります。

ですから『火怨』、読むスピードでは負けてしまったけれども、そこに描かれる土地の名ー涌谷、気仙、桃生、肝沢、多賀城、名取などから、その土地の風景が鮮やかに思い出せることは同じです。小生はハードカバーの初版本で読んでいるのですが、地図が無いのは一緒で、たしかに地図があれば距離感が分り、物語がより立体的になったでしょうね。

でもこの小説、今までの日本の時代小説には無かった辺境からの視点が新鮮で、考えてみれば大陸からの渡来一族であったろう大王(天皇)家が支配権を持つまでは、この国は蝦夷と蔑まれた部族の支配する平和な国であった訳で、その彼らが徐々に辺境に追い詰められてからはじめて部族として団結して、天皇家に向かって弓弾いてゆく設定は、これからの展開にワクワクしそうです。熱い涙に目頭を抑えきれなくなるのでしょうか。だから、結末は絶対に教えないで下さいね!

高橋克彦『火怨』(上下)継続。上巻から一気に下巻へなだれ込む。気が付いたら午前一時過ぎ、あわてて強制終了。

このように皆さんのページからいろいろと学び、刺激を受けることのできるこの場所が無くなる事は、10月から支社勤務となった身にはとても痛手です。とくに支社・機関同士の交流の場がなくなってしまうことが大きい。今さら言ってもしょうがない愚痴と分っててもつい出てしまう繰言でした(Sさきさんの説明で理解はしているつもりなのですが、ブツブツブツ・・・とまだ未練たらしく言っている往生際の悪さよ!)。

当面、残された3週間(あ、もう切っている)を有意義に使いたい。そういう意味で、Professor Moriの「分りやすいUS−GAAP講座」はとても勉強になる。最後まで連載よろしくお願いします。
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塩野七生『終わりの始まりーローマ人の物語第]T巻』の発売日・・でもきっとこの日より前に購入の予定。
 →予想通り9日に購入できた。

↑の記事でA木さんからメールが・・・。いつも有難い。これで年齢の違う我々でも一緒に酒を飲める肴がふえたというものだ。

Mりさん、経理の大先輩などと恐れ多い。西も東も分らない入社早々の若造が2年間末席を汚しただけでして・・・。
でも、支社勘定(経理)と事業費を担当したおかげで
支社では会計が分るやつと重宝がられたのは有難く、
よく機関事務支援で月末の会計を締めに行ったものでした。

また、企業年金を担当しても、折衝相手が経理・財務のプロばかりですから、会計・税務の知識がどれだけ役立ったかははかりしれず、2年間の経理部勤務が会社生活の基礎となったのを痛感します。

経理部といえば、すぐ思い出すのはやはりH谷さんとU田係長(当時)です(I村前副社長はじめ、役員になられた方がたくさんいらっしゃったのですが、なぜか思い出多いのは女性の方ばかり!)。

今年7月に定年になられたH谷さんは、本当に定年というのが信じられないほど若々しく、お世話になった昔と少しもかわらない笑顔でご挨拶に見えられたのが印象的でした。

U田係長は入社当時の仕事上の直接の上司で、支社勘定の事実上のボスとして支社に睨みをきかせていたコワ〜イ存在でした。そんな方に社内文章の書き方から始まって仕事のイロハをまさに手取り足取り教えていただいたのは、きつかったけれども類稀な経験でした。そのような新人指導はもう今では考えられませんね。
脳裏に焼き付いているのは、U田係長の着物姿です。
昔の女子の制服はただの上っ張りのような貧相なものでしたが、着物専用のものがあったので、他の同年代の係長さん方も冬になると結構着物で執務をされていたものでした。昭和40年代ですよ、ちょっと想像できないかもしれませんね。
とくにU田係長の着物姿は着こなしが粋で、もともとお綺麗な方でしたが、洋服姿とは別人のようによく似合っていて、思わず見惚れたものでした。小生のような若造が何もうまい言葉が見つからず、ただ「よくお似合いですね」と申し上げただけでも、「そうお」とニコッとしていただけましたが、それで十分でした。キャリア・ウーマンのはしりのような方でしたが、決して仕事だけではない人間味溢れる方でもありました。今の小生があるのもU田係長のおかげだと思っています。
小生の母とほぼ同じ年齢で、もうかなりのご高齢のはず、お元気でいらっしゃるとよいのですが・・・。

以上、年寄りの昔話、お付き合いいただいた方は有難うございます。

高橋克彦『火怨』(上下)継続。
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戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から1編(稲荷の霊験)。丸本系の狂言には、身がわりという趣向がよくあって、本人と、よく似た瓜二つの他人の二役が出て、主要な筋を構成することがある。歌舞伎では、それを一人二役で演じる場合と、姿かたちと顔がよく似た二人の役者が演じる場合がある。この短編は後者の場合で、上方から下ってきた役者が主人公とよく似ており、芝居の腕でもいいところから、押され気味となるが、最後は『本朝廿四考』の武田勝頼を、本物と偽者を分けて演じることになり、めでたしめでたしというお話。

高橋克彦『火怨』(上下)継続。いよいよ征討軍の副将軍として、智将坂上田村麻呂が加わり、蝦夷軍との激烈な戦闘に入ってゆく。手に汗握る展開である。
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高橋克彦『火怨』(上下)ついに読了。この小説、今までの時代小説と違って新鮮なのは、次の2点。
@桓武天皇時代を描いていること
A蝦夷を主役として、かれらの視点で描いていること
それまでは各部族でバラバラであった蝦夷が、主人公アテルイを中心にまとまり、強力な戦闘集団を作り上げて、征討軍を次々に打ち破ってゆく。戦闘シーンの迫力ある描写!
しかし、折角勝ち取った平和も、長くは続かない。蝦夷を唯一同じ人間と認めた坂上田村麻呂を桓武天皇は征討将軍に任じ、蝦夷平定の確固たる意思を示す。このまま戦争を継続していて、蝦夷の将来はどうなるのか?とアテルイは悩み、ある決断をする。
ここから先は、読んでいただくしかないが、アテルイたちの運命には、思わず涙を抑えきれない。
坂上田村麻呂とアテルイたちの敵味方を超えた男同士の友情にも胸を打たれる。

読み終えて、胸に大きな空洞が開いたような気がした。
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※ あくま殿まゐる
 あまき言の葉のささやきにこころ動かされしおのこひとり、一夜なやみわたるれども、つとめておもひたちて、「ろっぴ」なる機械にてちけ取らむと欲す。
しかれども、とき遅かりしや、あまた操れども願う日すべてうり終わんぬとのみかへりきたるぞ。
などてくちをしからざらんや。あなうたてやなとこそ思しはべれ。

幻の博多行きとなってしまいました。いろいろ助言をもらったのに・・・。すみませんでした。

赤穂浪士討ち入りの日。
今年は元禄十五年(1702年)の討ち入りからちょうど300年、東京でも『仮名手本忠臣蔵』の通し上演が歌舞伎座、国立劇場の2つで競演となった。またテレビ東京正月恒例の12時間時代劇も中村吉右衛門主演の『忠臣蔵』だそうな。相変わらずの人気である。

そこで、高橋克彦『火怨』から次の『天を衝く』に行くまでの間奏曲として、丸谷才一批評集『芝居は忠臣蔵』から『忠臣蔵とは何か』等を読む。
この本、ひもとくのは何回目か覚えていないが、いつ読んでも新鮮な刺激に満ちていて、興奮する。今までにない斬新な切り口から、討ち入りという事件とそれを劇化した忠臣蔵の全体像を分析して、何故日本人はこれほど忠臣蔵を好むのかを抉り出す。

討ち入りというと浪士皆お揃いの装束(あれは大名の火事装束だそうだ)を思い出すが、あれは劇や映画などの影響からそう思っているだけで、史実はばらばらであったという。それくらい、我々は事件そのものより劇化された『仮名手本忠臣蔵』の強烈なイメージに支配されている。

今は殆ど廃れてしまったが、江戸時代の正月狂言には吉例として『曽我狂言』が出されつづけた。これは『曽我物語』を題材にして、手を変え品を変え、いろいろと趣向をこらして、曽我十郎・五郎が工藤祐経を
親の仇と狙う話である。しかし、工藤祐経を首尾よく討ったものの、五郎は捕らえられ、時の将軍源頼朝に処刑される。ここから、五郎は御霊に通づることから、御霊信仰の対象(菅原道真や平将門もそう)となり、曽我狂言は御霊となった五郎の荒ぶる魂を鎮めるための江戸庶民の呪術的・宗教的祭祀となったのである。
(つづく)
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丸谷才一『忠臣蔵とは何か』ー昨日のつづき
殿中松の廊下の浅野内匠守の吉良上野介への刃傷は、
はっきり言って原因はよくわからない。賄賂をしなかったというようなことではない。やはり癇の強い内匠守の側に何か問題があったのだろう。結果として、即日切腹となり、赤穂藩はお家取り潰しとなる。
時あたかも五代将軍綱吉の治世、天下の悪法生類憐れみの令で庶民の怨嗟の声は高まっていた。庶民は非業の死を遂げた内匠守の霊を鎮めるために赤穂浪士の仇討ちを期待した。吉良上野介=工藤祐経、徳川綱吉=源頼朝とみなして曽我兄弟のような仇討ちを・・。
赤穂浪士討ち入りは首尾よく行われ、庶民は御霊信仰の力を思い知らされ、正月の曽我狂言を続けるようになる。そして、綱吉の死とそれに続く生類憐れみの令の廃止。正月の曽我狂言は吉例となり1世紀以上も続くことになる。
そして、『仮名手本忠臣蔵』の完成。御霊鎮めの心はここにこめられ、江戸庶民の呪術的・宗教的祭祀は完成し、以後日本人は300年にわたってこの狂言を愛好してゆくことになる。

夜、NHK教育TV「芸術劇場」、イギリスの今夏のグラインドボーン音楽祭より、ビゼーの有名な歌劇『カルメン』をハイライトで放映。
今世界のメゾ・ソプラノの第1人者であるアンネ・ソフィー・フォン・オッターがカルメンを演じたことで注目される舞台。
どちらかといえば、ズボン役のように男ぽい役が多かったオッターだが、ここでは一転して野性味溢れる奔放なカルメンを見せる。「恋は野の鳥」「ハバネラ」などの名曲も情熱的な歌い振り。
ただこの歌劇、管弦楽も魅力的な旋律で一杯だから、ハイライトではそのあたりが味わえず、少し残念。
また、オッター以外の歌手が弱いように見受けられた。
この芸術劇場、ここのところクラッシク音楽番組を多く放送してくれるので有難いが、お願い、歌舞伎ももっと放送してくれよ!という感じ。
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山田風太郎の忍法帖シリーズを愛読したせいか、知らないうちに忍法分身の術を会得したようで、いつのまにか二人に分身している!(←大ウソ)
でも、元に戻る術を知らないので、こちらの方を更新するが、もう一方はどうすりゃいいのだろう、ほっといてもいいのかな?

戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』から2編(ところてん、女形の大見得)。今でこそ岩井半四郎は立役である(当代は女優の岩井友美や仁科亜希子の父親としか知らないかも)が、江戸時代では有名な立女形だった。後者ではその半四郎が後輩の若女形に追い上げられ苦悩するが、ある事件をきっかけとして立ち直る姿を描く。それで、『女暫』を上演したことになっている。『暫』は歌舞伎十八番の荒事で、成田屋の家の芸である。歌舞伎の主役の中でも超のつくスーパーヒーローで、その荒事は様式性が強く、殆ど呪術的と言ってもいい。『女暫』はその役を女形に替えて演ずるのだから、大きな風格の芸を要求される。故六代目中村歌右衛門の舞台は、やはり余人では到達できない大きな芸を見せてくれたものだった。

戸板康ニ『小説・江戸歌舞伎秘話』、これで全14編を読み終えたが、芝居の関係者ー役者、作者、裏方などだけの登場人物で、このような話を創って読者を納得させるワザは並大抵ではない。謎解きの面白さにちょっとした工夫があり、読者をうまくだましているのだが、それを感じさせない。やはりこれも一つの芸と言ってよいのだろう。
いずれにしても、どんな学術的な研究よりも生き生きとした江戸歌舞伎の裏表と面白さが分る本だった。

高橋克彦『火怨』に続く『天を衝く』(上下)開始。今度は戦国末期の陸奥が舞台、「北の鬼」と恐れられ、秀吉に喧嘩を売った男九戸政実が主人公。どんな波乱万丈の物語が展開するか?

ハイドン『ネルソンミサ』、『テ・デウム』を聴く。
演奏はお気に入りのガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツ&モンテヴェルディ合唱団のもの。9月に買ったこのCD、最後の1トラックが脱落していて、良品交換まで3ヵ月待たされたのだが、やっと交換完了。待望の『テ・デウム』、小品ながらブルックナーに影響を与えたといわれるだけあって、合唱部分が素晴らしく、ちょっとオペラのよう。
『ネルソンミサ』同様、モーツアルトの宗教曲に引けを取らない佳曲ではないかと思う。もっと広く聴かれてもよいのではないか。
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いきなりふられちゃったけれども、旦那さまが超うらやましいです、K川さま!
アンプ、アキュフェーズ!それを聞いただけで唸ってしまいます。欲しいよ!って言いたくなります。
 ⇒CDプレイヤーでも同じですよ。アキュフェーズは垂涎の的! うちのデンオンのプレイヤーもいい音してるんですけどねー。でもアキュフェーズには負けますよ。いつか欲しい名機!

多分K川家のオーディオ装置は家の中心に鎮座ましましているに違いない。きっといい音がしているでしょうね。存分にヴォリュームを上げて聴けるガーディナーのCDを想像しただけで、ワクワクしてきます。

都会のマンションなどスペースも無いし、ヴォリュームも上げられないし、ということで、恥ずかしいから聞かないで下さいよ、オーディオ装置! で、自慢できるのは60K位のヘッドフォンだけです(涙)。時々書いているCD視聴も殆ど携帯用CDプレイヤーで聴いている始末。
購入した当時は結構高価だったヤマハのアンプも経年劣化で買い替え時期をとうに過ぎているのに、買い替えの予定すらなし。まさに「R]的生活!!

そういえば、NHKの衛星放送で23日だったか、クリスマスイヴの日の深夜だったか少し怪しいですが、ガーディナーのJ・S・バッハ『クリスマス・オラトリオ』を放送予定らしいです。是非録画してお子さんにも見せてください。きっと教会での収録で音もよいと思います(ヴィデオデッキも高価そうで、ダビング頼みたい気ありあり)。
 ⇒調べたら、23日深夜1時(24日)から150分の放送予定です(メール済み)。

塩野七生『痛快!ローマ学』、文章だけでなく、座談も名手である彼女の生の肉声が聞けるようで、失礼ながらお酒をなめつつ拾い読みしている。
ローマ建国からアウグストスまでの分りやすい通史だが、やはりユリウス・カエサルのようなスーパー・ヒーローはでたけれども、ローマ人たちが組織として賢明な行動ができる民族だということがよくわかる。
この本、おすすめですが、とくに巻末の特別付録「英雄たちの通信簿」が『ローマ人の歴史』にないもので
指導者に求められる5つの資質は、どこかの国の政治家によく読んでもらいたいものだ。

高橋克彦『天を衝く』(上下)継続。
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12月から始まった営業職員とサービスメイトとの情報交換会で営業所回りすることが多い1週間。
メイトさんの活動状況をいかに営業職員さんに理解してもらい、真に営業に結びつく情報をどう収集し、つなげるかがCSの大きな課題。

午後事務研修会。やっと全機関の専任職の方の名前と顔が一致した。事務二層化で支社で分らない機関事務が多くなっていることを実感する。

高橋克彦『天を衝く』(上下)継続。他の作品でもそうだが、戦闘シーンの描写には圧倒される。あっ、これ以上書いてはいけないのだ(某氏からの命令!)。
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前に書いたことがある世界的名指揮者アンドレ・プレヴィン(72)と美人ヴァイオリニスト、アンネ・ゾフィー・ムター(39)の結婚、早くも夫婦共演のCD録音が実現したようだ(ドイツ・グラモフォン)。

曲は何とプレヴィン自作で、新妻に献呈した『ヴァイオリン協奏曲』とのこと。小澤征爾が前の音楽監督だったボストン交響楽団との演奏。
これは楽しみが倍加した、というものだ。

高橋克彦『天を衝く』(上下)継続。
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よかったですね。お正月にたっぷり楽しめますね。
こちらこそとても楽しみにしています。
ご連絡メール、首を長〜くしてお待ちしています。

TVガイド誌のチェックを怠っていたせいで、今晩の深夜、2001年ザルツブルク音楽祭のJ・シュトラウス二世の喜歌劇『こうもり』の放送が衛星第二であることに今朝の新聞TV欄で気付く。こりぁ、危ないとこだった。気付いてよかった。S−VHSの長時間テープを買って帰ればOKだ、と思った。

んが!! 拙宅のTV、衛星放送がビデオ接続されていないことが発覚! 共同アンテナ接続時に業者に任せっぱなしにしていたことが原因。
今晩ヨドバシに走り、衛星放送用のビデオーTV接続用ケーブルを買ってこなければ・・・。
もう何を今ごろという感じで、普段いかにチャンネル権を取られているかが分るが、とにかくケーブルを購入し、無事接続も完了(汗)。

明日が休みだからと0時45分の放送開始からTV視聴。何と指揮者が今とみに声価を上げつつあるマルク・ミンコフスキーで、モーツアルテウム管弦楽団との演奏であった。
今日発売された『レコード芸術』によれば、年1度選ばれる「レコード・アカデミー賞」でミンコフスキーはオペラ部門とビデオ部門の2冠に耀き、とくにグルックの歌劇『トーリードのイフジーニア』で並み居る作品を抜いて大賞に選ばれている(購入していない!)。
『こうもり』、有名な序曲を聴くだけで期待十分だが、演出が毀誉褒貶相半ばする斬新なものだったようで、ちょっとハードそうなので、後はビデオ録りで後日のお楽しみとした。

眠いが、まだ眠るわけにはいかない。『こうもり』の後、3時半頃から1997年ベルリンフィル・ジルヴェスターコンサート(指揮は音楽監督クラウディオ・アバード! これは絶対逃せない)の放送があるので、ビデオの入れ替えに待機、無事終了してから床に入った。

高橋克彦『天を衝く』(上下)継続。
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歌舞伎座12月公演夜の部。曲亭馬琴原作、三島由紀夫台本の通し狂言『椿説弓張月』(全三幕八場)〜市川猿之助宙乗り相勤め申し候〜鑑賞予定 ⇒ レポ書きます。以下、↓

・歌舞伎座12月公演夜の部観劇記
三島由紀夫が自決する1年前の昭和44年に書き下ろした新作歌舞伎であり、歌舞伎座では初の上演となる。今回は沢潟屋(市川猿之助)一門に加えて、勘九郎、玉三郎、福助共演による豪華な舞台である。

全体としては、崇徳院に忠義を貫いた源為朝を主人公として、大きく3部に分かれる。

上の巻は、伊豆大島に流された為朝が、家来とともに諸島を従え、元代官の娘を妻として生活している。そこへ妻の父の元代官を先頭にした討手が攻め寄せてきて、為朝は強弓で立ち向かうが、妻子は討ち死にする羽目となる。
全編義太夫を使って重々しく描かれており、時代物の雰囲気が濃厚な作りである。妻を演じた笑三郎が古風な味わいを見せて、また一段と大きくなっている。

中の巻は、崇徳院の墓に詣でた際、崇徳院と群臣の霊が現れ、その導きにより為朝らは肥後の国の山中に分け入る。そこで以前契った白縫姫(玉三郎)と再会する。この美貌の姫、為朝を裏切った家来を琴を弾きながらなぶり殺しにするという残虐な面を持っており、大和屋が妖しい美しさを舞台一杯に漂わせる。このあたりは三島好みの嗜虐美か。
為朝一行は船を仕立てて海へ出るが、途中大嵐に遭い
白縫姫は弟橘姫の故事に倣い、海神を鎮めるために入水し、その後黒揚羽に変身する。舞台の大船が大嵐に翻弄される様や海中を泳ぎ渡る家来たちなど、さまざまな大道具の仕掛けが歌舞伎の視覚的な面白さを堪能させる。

下の巻は、漂着した琉球が舞台。衣装や舞台装置がエキゾチズムを感じさせる。大臣や悪女阿公の企みを為朝が救い、寧王女に白縫姫の化身の黒揚羽が乗り移る(寧王女役の春猿が品のある美しさを見せて見事)。後半は悪女阿公の因果話で、老女役を勘九郎が丁寧に見せる。立役から女形まで、とにかく芸域が広い役者である。
最後は島を安泰にした為朝が皆のいる中、白馬にまたがり、昇天する。ここは沢潟屋得意の宙乗りで、昇天を美しく現して見事だった(でも、小生の席は、最後列から2番目なので、舞台は思ったよりはよく見えたが、宙乗りは殆ど見えなかった(涙))。

総じてこの狂言、猿之助歌舞伎にぴったりの絢爛豪華なもので、見せ場も多く、とても楽しめるものだった。為朝は猿之助の当り役の一つになるであろう。
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前々日の寝不足と前日歌舞伎観劇で帰りが遅くなったことから、昼頃まで惰眠を貪る。

家人がいないので、ビデオ視聴に浸る。

まず前々日に録った1997年ベルリンフィル・ジルヴェスター(大晦日)コンサートのビデオを観る。アバードファンとしては彼の指揮振りを観ながら、音楽を楽しめるのが何よりの愉悦である。

このジルヴェスターコンサート、毎年テーマを決めてそれに関連する音楽を集めている。この年は、スペインがテーマ。
最初はビゼーの歌劇『カルメン』から。先週グラインドボーン音楽祭のを観たばかりだが、カルメンは同じアンネ・ソフィー・フォン・オッター(Ms)。加えてドン・ホセはアラーニャ(T)、闘牛士エスカミーリヨはターフェル(Br)という滅多に無い豪華メンバー揃い。
アバードはやはりオペラを振らせると、とても楽しそうで生き生きとした音楽を聞かせる。ベルリンフィルは言うまでもなく世界最高峰のオーケストラで、分厚いシンフォニックな音を出すし、アバードの丁寧な指揮に鋭く反応する。

ほんのさわりの6曲だけだったが、独唱者が皆素晴らしく、このメンバーで全曲を聴くたくなるような演奏。独唱と合唱の掛け合いもまさにオペラの醍醐味だった。

続いて、プレトニョフ(P)による『パガニーニの主題による狂詩曲』(ラフマニノフ)、シャハム(Vn)による『カルメン幻想曲』(サラサーテ)、『スペイン狂詩曲』(ラヴェル)などの演奏で、盛り沢山なメニューを満喫した。

1本観た勢いで、アバードの他のビデオも楽しむ。
1991年のベートーヴェンプロによるジルベスターコンサート(キーシン(P)による『合唱幻想曲』のピアノと合唱の掛け合いの面白さ)や、1996年のヴァルトビューネの野外コンサートのイタリア音楽集など。とくに後者はヴェルディ指揮者としてのアバードの面目躍如たる名演ばかりで、こういう演奏を血湧き肉踊るというのだろう。会場の聴衆と一緒に口笛を吹きたくなった。

高橋克彦『天を衝く』(上下)継続だが、ビデオにのめりこんであまり進まず。
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NHK衛星第二、深夜1時からBモードステレオで、ガーディナー指揮のJ・S・バッハ『クリスマス・オラトリオ』を150分放送予定 ⇒ 録画どり頑張る予定。

別に頑張らなくても、タイマー録画で十分録れていたのだが、貧乏性で気になったのと、観たい気持ちの両方からか、深夜2時頃から起きだし、3時半までTV視聴。⇒ おかげで24日もろに寝不足!。

ドイツのワイマールの教会で1999年12月に行われた全曲演奏会での収録。小ぶりな祭壇を舞台に小編成のオリジナル楽器の管弦楽(イングリッシュ・バロック・ソロイスツ)と少人数の合唱団(モンテヴェルディ合唱団)によるバッハの6部からなる連作カンタータの演奏。

世俗カンタータからの転用も多いが、それを感じさせない見事なまとまりがある。オーボエや通奏低音の伴奏付で歌われる魅力的な独唱の数々。いつもながら一糸乱れぬ合唱を聞かせるモンテヴェルディ合唱団の素晴らしさ。そして、現代楽器と比べたら貧弱だけれども、懐かしくそしてとても輝かしいトランペットの活躍、等々。

しかし、何にもまして、ガーディナーの統率は的確で、管弦楽・合唱の見事な溶け合いがある。ここには、まさにバッハを演奏する愉悦があり、それが聴衆にも伝わり感動を呼ぶのだと思う。

ヨーロッパでも『クリスマス・オラトリオ』を全曲演奏する機会は少なくなっている、と聞く。この演奏はまさに得がたい体験であり、いながらにして聴くことのできる幸せを感じる。

クリスマスイヴの日にでも全曲通して聴こう。何よりの自分へのプレゼントである。

高橋克彦『天を衝く』(上下)継続。
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ガーディナー指揮のJ・S・バッハ『クリスマス・オラトリオ』を第1部から第3部まで続けて視聴。丁度1回分の演奏会分のようで、小さな教会の礼拝堂に座って聴いている聴衆と同じ気分を味わいながら、気持ちが穏やかになってくるのを感じる。
毎年クリスマスに聴くこの作品を、このような素晴らしいビデオで味わうことができるとは夢にも思わなかった。この幸せを少しでも多くの人に分け与えたい。

愛するご主人が録画忘れたとのこと、お宅の高級ビデオデッキには及びもつかないけれど、よければこちらでダビングして送りますよ。少し遅いクリスマス・プレゼントだけれども。
⇒愛するご主人が持って帰るのを忘れただけで、録画そのものはOKだったとのこと。よかった、よかった。

深夜のTV視聴と録画どりの癖がついたのか、またもや2時半頃起きだし、『ウエストミンスター寺院のクリスマス』を録画。さすがに、その前に放映されたプッチーニ『ラ・ボエーム』はNHK教育の放映時に録
っていたのでやめたが・・・。

高橋克彦『天を衝く』(上下)継続なるも、ここのところビデオにはまって進まず。

       
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またもや、深夜の録画どり。今夜はフンパーディングの歌劇『ヘンゼルとグレーテル』。音楽も楽しいが、
何と言ってもどんなメルヘンチックな舞台作りがされているかが興味の的。なかなか実際の舞台に接する機会が無いので、これは貴重だ。

でも、さすがの連夜の夜更かしがこたえたのか、録画開始早々おやすみに・・・。後はビデオでゆっくりと楽しむことにしよう。

イントラ日記も最終ということで、皆さんいろいろなことを書いておられてそれぞれ面白い。
でも、読書日記のつもりで書いてきた自分としては、やはり最後に今まで書いてこなかった作家と作品群ーいわば我が偏愛する作家と作品群をアトランダムに綴って見よう(一部は重複するかもしれないが)。

☆紫式部『源氏物語』
「いづれの御時にや女御更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらねど、すぐれてときめきたまふありけり」(「桐壺」冒頭部分、あってるかな?)
誰でも高校の古文で苦しめられた例の『源氏物語』。小生も古文は得意な方であったつもりだが、さすがに
『源氏物語』をすらすら読んで、その物語としての面白さ、世界的文学作品としての価値を理解するまでには至らなかった。
開眼したのは現代語訳で全巻読んでから。最初は与謝野源氏で一気に読んだ。訳文は原文に比べて短い文章に置き換えられていることが多く、やや男性的な印象ではあったが、これはこれで見事な現代語訳で、物語全体がすっきり見通せた。
とくに「若菜」以降のいわゆる第2部が中身の濃い、魅力度満点の物語が展開されていて、読み耽った。
そして、第3部のいわゆる宇治十帖、西暦一千年の日本にこのような甘美な、しかしまた物哀しいしい恋愛小説があったのだった!

ついで谷崎源氏も読んだが、自分に一番合ったのは円地文子訳であった。これは、本当に原文そのままを現代語に置き換えていて、作者の息遣いまでが聞こえてきそうな名訳だった。だから、1巻1巻味わいながらじっくり読んでいった。
(つづく)
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今日は、朝からメイト定例出社日、午後は機関長会だから、忙しい忙しいと言いながら、やはりここへ来ている自分。メッセージを拝見して、やる気満々、更新意欲ばんばんですが、とりあえずエントリーだけして一旦中断。

すみませんが、昨日のつづきも含めて、最後の更新は夕方からということで・・・。

最終機関長会が終了、今一息ついて皆さんのページを拝見し終わったところ。さすがに祭りの参加者は多いが、もっと多数参加してほしいと思う。
自分も気分転換に一旦作成したフォントをまたいじってしまった!

さて、残された時間どれだけ更新できるか?

☆紫式部『源氏物語』(昨日のつづき)
円地源氏を読んだことによって、古今東西を見渡しても『源氏物語』が世界最高の長編小説であるという認識は確固たるものとなった。主人公としての光源氏や薫がつねにそばにいる。いや、それ以上に紫の上、夕顔、六条御息所、明石の上、花散里、大君そして浮舟などの女性たちがみじかにいるのが感じられた。
他の小説を読んでもこれほど魅力的な女性たちには会わなくなってしまった。
主に中村真一郎に導かれてだが、『源氏物語』のような魅力的な物語・女性たちを求めて、他の王朝物語、『狭衣物語』『浜松中納言物語』『夜半の寝覚』などを彷徨うことになったのも当然かもしれない。

この遍歴志向は今でも間歇的に襲ってきて、奥深い王朝物語の世界にしばし遊ぶことが続いている。

いつの日にか、『源氏物語』をはじめとするこれらの王朝物語を原文で通読する機会があるであろう。

pause

もうあまり時間が無いので、いきなり時代は飛んで、
☆島崎藤村『夜明け前』
作者の父をモデルにしたこの長編小説、馬篭という草莽の地を視点に幕末から明治への時代転換を克明に描いた近代小説の傑作。自然派から出発した藤村が晩年に到達しえた孤高の境地は、戦後の小説でも果たして越えられたかどうか?

☆谷崎潤一郎『細雪』
戦時中逼塞を強いられた作者が『源氏物語』の訳業とともに書きついだ長編小説。まさに現代版『源氏物語』といってもいい魅力溢れる作品。いつどこから読んでもその世界に浸れる。

☆大岡昇平『俘虜記』『野火』『レイテ戦記』
日本人としてあの戦争が何であったかを絶対忘れないためにも、読むべき小説群。
でも、『武蔵野夫人』『花影』のような恋愛小説、推理小説としての『事件』、歴史小説としての『天誅組』そして明晰な自伝『少年』など読むべき本は多い。

☆井上靖『楼蘭』『敦煌』『風涛』(正しい涛が変換できないが・・)
日本人が郷愁のように感じる大陸への思いを小説化してくれた忘れられない奇跡のような歴史小説!

pause

さて、本当に時間が迫ってきた。フォントいじりなどしている場合ではないのだが・・・。

☆堀田善衛『方丈記私記』『定家明月記私抄』
読み手としての名手が日本古典に遊び、鴨長明や藤原定家そのものとなって、同時代を鋭く洞察する。

☆辻邦生『背教者ユリアヌス』『西行花伝』
歴史上の人物に託して、生きる喜びを謳い上げる完璧無比の長編小説。

☆司馬遼太郎『坂の上の雲』『項羽と劉邦』『空海の風景』
どれをあげてもよいが、やや乱暴に幕末・明治ものの
代表作といえば、やはり『坂の上の雲』を置いてほかに無い。後の2作は孤高の傑作。

☆山田風太郎『明治小説集』
風太郎といえば忍法小説(『魔界転生』など空前絶後の恐るべき書)だが、ここは虚実皮膜の綱渡りのなかで明治人物展覧会ともいうべき小説群の『警視庁草紙』『明治波濤歌』『明治断頭台』などをあげる。

☆池波正太郎『鬼平犯科帖』『剣客商売』『仕掛人藤枝梅安』
言わずと知れた平蔵、小兵衛、梅安を主人公とした人気シリーズ。中年男性の癒し系、作者の死去で未完となっているとは思えない、常に新しい連作短編群。

☆塩野七生『ルネサンス著作集』
『ローマ人の物語』は今進行中なので、とりあえず別とすると、代表作はここにまとめられた諸作。
『チェーザレボルジアーあるいは優雅なる冷酷』『海の都の物語』『わが友マキャべり』など、歴史と文学の融合を目指した読んで面白い人間の歴史。
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イントラ日記消滅(午後5時)。

午後は外出するので、とりあえず最後のご挨拶を。

イントラ日記の存在に気が付いたのは随分前のような記憶がありますが、時期ははっきりしません。皆さんの日記を拝見して、表現方法もネタも多彩でとても楽しませていただきました。当時は小生もやはり句読点をうっての検索など知らず、いちいち原始的な方法でページを開けて読んでいたのですが、それはそれで新しい発見も多く、面白かったと思います。

自分でも日記を書こうと思い立つまでにはかなり時間を要した訳ですが、読書日記を中心にと決めてからは意外とスムーズに入っていけました(7月開始)。ですから、最初は日記部の皆さんとの交流は全く念頭に無く、まず自分の世界を築いて行く(少しオーバーですが)ことに意を注ぎました。

しかし、10月1日に26年振りに支社へ異動してみてはじめて交流の大事さを痛感しましたが、これも面白いもので自然と流れるように他支社・機関の方々を中心とした交流が始まり、あっという間に拡大して行きました。

そういう意味で、後の3ヵ月はとても充実した生活を送ることができ、皆さんに感謝してしすぎることはありません。本当に有難うございました。

来年4月以降の身の振り方については、今日時点では自分自身全くわからないというのが素直なところです。ただ、支社統合によりこの支社が無くなる3月末まではこのままで居る事だけは間違いないことなので、イントラ日記が無くなっても、メール等で引き続き交流方よろしくお願いいたします。必ずご返事のメールは差し上げます。
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支社最終営業日。出社。
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